派遣薬剤師の声を拾う

TOPへ 派遣薬剤師の職場選び 派遣薬剤師として知っておきたいこと@ 派遣薬剤師として知っておきたいことA 派遣薬剤師として知っておきたいこと@ 派遣薬剤師として知っておきたいことC

診療報酬改定薬価引き下げへ

診療報酬

2018年度の診療報酬改定で、薬価は1.3%程度引き下げられることになるようです。これ自体は、ほぼ薬価のお約束的な出来事。 一般的には、物は流通が多くなれば、自然に値崩れを起こす、そこに市場介入などが行われるという仕組みですが、薬価対象となる薬剤、 つまり処方箋薬を、買い手である患者さんが好みで購入しているわけでもありません。

処方薬は、選択の限界があります。要するに本人は必要ないと思いたいが、使わざるを得ないもの、病院を利用する人がいる限り、 薬剤は自然に流通します。そうすると、現実の薬の値段が実際より高くなってしまう、という現象が起きるのです。 そのため、診療報酬改定時に下げることで、適正価格が維持される、というのが、薬価のお約束。

診療報酬改定時における一定幅の薬価引き下げは、薬剤師の世界が、現状通りに回っていると思えばよいでしょう。 問題はどちらかというと、薬価の見直し自体が2年に1度になったこと、そして、費用対効果で薬剤費を見ていくなど、 それ以外の部分で薬価の計算に変化が出てきたことです。

そのため、引き下げ自体は、通常通りの手続きであっても、薬の値段自体は、やや厳しい状況に置かれつつあるといってもいいでしょう。 では、これはそのまま薬剤師の職業事情に影響するのでしょうか?

薬価の負担はどこへ行く?

薬価の引き下げで煽りを食うのは、1、製薬会社、2卸、3調剤の3つになります。
処方薬の場合、3はあまり影響しないと思われる。というのは、先に書いた通り、市場原理で価格が決まる世界ではありません。 つまり、一定以上の人が病院を利用する限り、調剤や病院薬剤師は必要になります。ただし、薬価が低いのに卸が高く売ってきた場合は、 その限りではありません。

薬剤流通の世界には、現金問屋という薬を安く売る問屋があります。在庫などが現金問屋に持ち込まれる、世間で言うアウトレット的な事情で、 仕入れ値が安く、卸値が安くなるのですが、こういう問屋が存在するということは、卸値が高いせい、とも言えます。

ただ、病院などの場合、仕入れた薬剤をそのまま使いきるしかない、という特殊な事情もあり、必ずしも先発薬の価格のせい、 とも言いきれませんが、薬価引き下げで、じわりじわりと調剤が苦しめられる可能性もなくはないのです。しかし、同じ事情で問屋の方が、 更に苦しくなってくることが予想されます。

基本的に、処方薬は正規価格で買うしかありませんが、現金問屋という存在があります。ここに在庫管理を任せる、などのシステムがある限り、 やはり「質の担保があればより安い方へ」となりかねません。そうならないために、どうするか?というと、1、製薬会社に最初から安く売ってもらうしかないのです。

しかし、現状で日本の製薬会社はどういう台所事情なのかが、やや分かりかねます。ただ、製品を売るだけなら大きな問題はないかもしれませんが、 現在医薬品の開発は、各国しのぎを削り行われています。

その競争力を維持しようとすると、それなりの資金が必要になります。そうすると、既存の薬剤を一定価格売らなくてはいけない、 つまり価格を下げなくてもニーズがある薬は可能な限り、価格を下げたくない。という事情が出てきます。
そして国家としても、医薬品開発の力は落としたくない所。現実的には、間に挟まる問屋が1番影響を受けるかもしれません。

信頼に足る仕事を

安い現金問屋の存在は、昨年、偽薬ハーボニー事件で有名になってしまいました。ハーボニーの正規品に別の薬が混ぜられていた・・ことが、 患者さんの手に渡ってから発覚する、という実に怖い事件ですが、薬価改定の頻度が上がる、ということは、今まで以上に薬の価格や製品開発の事情が上がる、 ということが考えられます。

扱う薬が増える、中にはハーボニーのように高額な薬剤もある、そして価格は以前よりハイペースで変動する、となると、きちんとした仕入れ、 計算、など、薬剤管理能力は更に高いものが要求されます。

しかし、薬価があがるわけではない、そうすると仕事のペースがあがる、事務処理が増えるのに、薬剤師の給料は同じ、ということになります。 これに関しては「仕事が増える」というより「今までと方法が変わる」という解釈の方が良いかもしれません。

買い手である患者さんが激増するわけではなく、流通の方の問題ですから、きちんとしたシステム変更が行われる、正規品を適正価格で買い、 きちんと管理する制度さえあれば、薬剤師が極端に多忙になるなど、職場の事情が変わることはありません。

ただし、この意識の差が、薬局や問屋により開いてくる可能性はあります。いい加減な薬局としっかりした薬局ですね。 ただ、意識の問題だけなら良いのですが、薬の場合、患者さんが1人でも届ける必要はある。地域差により、薬剤師の質の担保事情が変わるということは避けたいもの。 この辺りは、薬剤師の意識や努力といった根性論では限界がある部分もあり、医療制度がどういったサポートを見せるか、に注意していく必要がありますね。

 

© Copyright 派遣薬剤師の声を拾う All rights reserved.