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医療療養棟の廃止

医療療養棟

薬剤師にとって重要な職場の1つが病院、入院棟には、一般、精神科、感染と結核の他に、療養棟があります。
主に急性期から慢性期に移行した高齢者の利用が多く、医療と介護が同時に行われているのですが、ついに2年後に廃止・・かと思いきや、 また廃止延長されるよう。「また」というのは、この療養棟廃止案、たまに出てくるのですが、実際の現場が回らず、 先送りになったことがあるからです。

そもそも廃止になった場合どうなるのか?というと、現在は病院に介護機能が付いている形ですが、介護に医療機能を付ける、 というのが1番現実的な案として取り上げられています。あまり変わらないように見えますが、療養棟の場合「医学的に入院」になるため、 医療保険が適用になります。負担金の問題ですね。

そして療養棟ではもちろんリハビリも行いますが、その結果帰宅できる高齢者や障碍者の場合、現在のシステムでも帰宅していると思うのです。 現在、家で世話をするのが無理、ということで、療養棟があります。そして在宅介護という流れが進み始めていますが、 介護離職問題などが、まだまだ解決されていません。この状況で「ハコ」だけがなくなると、行き場のない高齢者が続出し、 ブラックな介護施設が出来る、ということになりかねない、そういう事情で延期されているのですが、いつかは療養棟廃止、 入院という軸足を変える方向には、行くのだと思われます。

多剤処方問題の解決

そうなると、病棟薬剤師の勤務先が、介護施設や在宅介護へ移る可能性も高くなりますね。今後、高齢化社会の加速は避けられません。 今の状態では、療養棟希望者はむしろ増えてしまう。しかし療養棟は無くす方向へ、となると、別の形でケアをするしかない、ということになります。

ここで問題、そもそも高齢者は何故寝たきりになるのか?その原因の1つに「薬剤による健康問題の解決」があるかもしれません。 現在、高齢者の多剤処方が問題になっていますが、その原因は、まず検査で、何かの数値に引っかかる、身体に不具合が生じる、数値を補正する、 また不定愁訴を取るために、薬を出す。すると、薬の効果が強くなりやすい高齢者は、副作用も出やすくなり、生活が不活性化する。 その結果、食事が取りにくくなったり、睡眠障害を起こしたりする。情緒も安定しない。そこで睡眠薬などを出す、副作用でふらつき転倒、 骨折、リハビリが追い付かず寝たきりに、という構図が考えられます。この話の事の発端は「最初の多剤処方」にあると考えられますね。

そもそも、数値を正すべきなのか? またそれを薬で行うべきなのか?という問題があります。更に高齢者の場合、 病院で生活上の支障は訴えるが、あまり論理だった説明はしていない可能性が高いです。要するに「薬がこんなに多くていいのか?」 「生活と薬の噛み合い方がおかしいのでは?」ということを自分では考えにくく、また医療機関で訴えづらいのです。

特に医者に強く何かを言ってはいけないと、現在の高齢者は考えがちです。本人による訴えや問題意識が少ない、そのため、 問題が陰に隠れがちになるのです。

今後の高齢者予備軍は、医学知識が高く、良くも悪くも医師などに対してはっきり意見を言う傾向が強くなるため、改善が見込まれます。 また医療費高騰などの動きも手伝って「高齢者の体調を薬で管理」という方向からは、遠ざかっていくことが予想されます。 この流れに乗って、適切な薬剤治療をするには、治療薬と症状改善薬〜かゆみや痛みを抑える薬、時に抗精神薬の2つのラインをうまく使うことで、 生活の質を上げながら、本人の持つ力を引き出す医療、という方向にシフトしていかざるを得ないでしょう。

医師の「処方する力」も大事になりますが、そこを監査する役目である薬剤師の活躍の場は増えていきそうです。

仕事場は介護施設?

介護施設

薬剤師のニーズが1番多くなって行くのは、介護施設になるのでしょうか。はたまた訪問になるのでしょうか。 実際には、かなり流動的になるかもしれません。というのは、介護施設と自宅は両方併用できることも多く、 そういった利用方法が可能であれば、それに越したことはないからです。

そうすると、近所の病院2か所に通う、施設入居者が週末は時々自宅に居る、というケースも当たり前になってくるかもしれません。 この場合、まず2か所の病院で出されている薬のチェック、そして施設や自宅での生活状況をきちんと聞くことも大事です。

また、今後の社会は、家族を重んじる傾向になる反面、家族持ちは減っていく傾向もある、という矛盾した状態が出来てきます。 高齢者の世話係という人が、事実上誰になるのか?も、かなり個人差が出てくるでしょう。

また認知症になると、独り暮らしは不可能と思われていますが、意外に現在でも独居のパターンは多く、下手に他者が関与するより、 状態が安定していることもあります。いずれにしても、薬服用者に高齢者の確率が高くなるのは、ほぼ間違いのない今後、高齢者の薬学的事情と、 生活を知る視点は欠かせなくなってくるでしょう。

 

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