派遣薬剤師の声を拾う

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資格は長く有効だが‥

薬剤師

薬剤師資格、いつでもどこでも有効なものとして派遣には有利、しかし、薬の処方や販売の事情はどんどん変わっていきます。 事情に精通しておくのも、調剤など患者さんと、直接かかわる薬剤師には大事なこと。新しい知識を役立てるという意味もありますが、 「この話なら絶対聞けば解るはず」と患者さんが思い、薬剤師に告げた所、全く知識も情報も無かった、というのは、かなりがっかりなこと。

薬剤師にとっては些細なこと、後でそういえば、と思うことでも、利用する側にとってみれば「こんなこと知らないんだ」から始まり、 そういえば結構当てにならないよね、と、どんどんネガティブな想像力が膨らむ可能性は考えられますよね。

一部の医療事故や、治療の結果が思わしく無い理由には、こういうちょっとしたすれ違いが大きな下地になっているのかもしれません。

そんなわけで、患者さんにも解りやすい、薬剤事情をいくつか紹介しておこうと思います。

女性向け薬品が出来る

従来、薬効として男性にも効果がある場合、「女性向け」などの性別表記はできなかったのですが、厚労省が37年ぶりにこの基準を見直し、 薬を販売するときに「女性向け」「中高年男性向け」というターゲットをロックオンできるようになったのです。

元々、痛み止めなどについては、CM自体が若い女性がキラキラした部屋で服用、生理対策など具体的なシーンに見えるものも多く、 この時点で事実上、女性向け商品と言うイメージに。そしてパッケージもかわいらしい場合、あまり中高年男性は手に取らないのではないかとも思えるため、 現実に即した形になったといえます。

薬

問題は、こういった薬は、販売戦略上そうなっているのであり、実際の薬効がどうなのかは、また別問題ということ。 つまり、こういった薬を中年男性が「奥さんに頼まれたが、自分の関節痛にも飲めるよね?」となったときに、きちんと説明出来ることが大事です。

製薬会社が積極的にターゲットを絞り込む、ということは、例えば、一般的な生理痛に、よりふさわしい薬を女性が手に取りやすい、 という面もあれば、生理痛の原因を最初から1つにしてしまっている、とも言えます。

生理痛はまだしも、頭痛、筋肉痛になると、内臓痛など隠れた原因がある可能性は、捨てきれないですよね。 しかし、最初からOTCを買おうとする場合、使用者は意外に症状を決めつけてかかることも多いのです。すると、薬の選択が解りやすいだけに、 どんどん間違った方に誘導される、ということにもなりかねない。こういったことを懸念して、今までは特定のターゲットに販売するような文句は 書けなかったとも言えます。

しかし、例えば頭痛を抑えたい!と思い、薬を買いに来る人の場合、原因よりは「適切に抑える方法」が出来る薬選びの方が、はるかに大事。 ここで、いたずらに悩み、合わない薬を選択したり、放棄したり、となるよりは、ある程度選べる「うたい文句」があっても問題はないだろう、 ということなのですね。

ですから薬剤師に大事なのは、まず「原因を決めつけないでください」ということです。もちろん医者が話を聞いた所で同じであろう、 という症状の場合は、適切な処方が大事。しかし、何か違和感があるケースも、おそらく存在するでしょう。

また痛み止めや胃腸薬は、対処療法より、元になっている原因を見つけ解決すれば、必要が無くなるケースもあります。 慢性化している場合は、原因探しを放棄する体制に入っている人も多いもの。販売に、ちょっと水を差すのも薬剤師の役目。 難しいのは、販売に水を差して不安視させてはいけない、ということ。せっかく「自分に合った薬」を見つけて、 かなり精神的ストレスが無くなった人の場合、その状況を、最大限に活かす方法も考えなくてはいけません。

セールスマンにならないために

そして、もう1つ懸念されるのが薬の広告力で、お勧めが変わってはいけないということ。

単純に「よく売れているもの」は、使用して問題がない、実績自体が多く自然にお勧め的な立ち位置に来る、こともあります。 しかし「新発売!女性向けに」という薬がある場合、「広告が解りやすい」という理由だけで、この商品が第1選択肢に来ることになっては、 やはりおかしいのです。

適切な薬の処方や選び方、と、セールスは違うもの。ドラッグストアなどは、完全に販売業に近いため、ややこしいのですが、 売ればいいというものではないのが薬です。ここは、きちんとした知識を仕入れ、また患者さんの薬の服用の仕方など、 個人の習慣などをきちんと聞いたうえで「ターゲット年齢などが書いてあります」という情報を安心感として添えたいものです。

最後に目薬の「すっきり」という表現は、逆に禁止になったようですが、清涼剤がマイナスになることもあり、 「すっきり感」自体が消えたわけではありません。薬の広告や効能記載は、増えたり消えたりすることで、まず患者さんが受ける「不利益」を考え、 念頭に置くと良いでしょう。

 

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